奄美を訪ねて 土地に活きる

2023/3/20

「奄美を訪ねて」

–2回目 土地に活きた仕事をしている人–

社会福祉士 北村弘之  

2年ぶりに奄美大島を訪ねました。2回目は奄美大島の自然の姿と土地に活きた仕事をしている人をご紹介いたします。

【今田 智幸さん】

今回奄美大島を訪ねた目的に、地元で木工細工をしている今田さんを訪ねることにありました。以前テレビ番組で紹介されており大変興味がありました。彼の作品は、独特の形をしており、材料は全て奄美大島の木材(カジュマル、シャリンバイ、アカギ等)を利用しています。自分で直接原木を伐採し、持ち帰ったあとに素材を粗削りしたあとに乾燥させ、その後再度研磨加工しコーティングしています。

完成品の多くは、球体であり何か気分をほぐしてくれる作品が多いのです。店内には、加工場と作品の展示場があり、どれひとつ同じ作品はありません。

彼は、一度は島を離れたのですが24歳で島に戻りました。その後、製材等の仕事で生計を立てながら、現在の工房に至ったということでした。現在45歳。店内には中学1年生の息子さんが学校で作成して絵などが飾ってあり、気持ちをさらに和やかにしてくれました。

今田さんには工房内でいろんな話を伺うことができ、気に入った作品2点を買い求めました。

【黒糖焼酎 奄美大島酒造】

最終日の朝。空港に行く途中にある奄美大島酒造の工場を訪ねました。黒糖焼酎は、奄美大島だけで生産される焼酎で原料はさとうきびから作られる「黒糖」なのです。訪問は朝9時ということで、「ガイドなし」の工場見学に行きました。しかし、工場見学から販売所に戻ると背広を着た年配の男性が、黒糖焼酎の歴史や製造方法などを説明してくれました。

どのようにしていろいろな銘品があるのか丁寧に説明していただきました。減圧蒸留と常圧城領の違い、甕(かめ)とオーク樽による貯蔵方法の違い、貯蔵年数による違い、割水の割合の違いなどにより、いろんな銘柄ができるということでした。一般的に市販されている黒糖焼酎は「割水」といってあらかじめ水(地下120mから汲み上げたじょうご)で薄められてビン詰めをされているようです。

奄美大島では、黒糖焼酎を醸造している会社は10社ほどあるそうですが、この会社では地元のサトウギビのみを使っていると話されていました。これは地元の産業の活性化を図る目的があるというのです。他の会社では、現地産の半分の価格の輸入もののサトウギビ(黒糖)を使用しているとのことです。まさに、現地での共存化を図っているのです。そのようなことを聴いたことがあり、黒糖焼酎の原酒をお土産にして帰りました。

以上