「先々の住まい」 7/8

2022/9/20(No.7/8)

—70歳代前半の人が検討してほしいこと—

社会福祉士 北村弘之  

8. 「有料老人ホーム」と「サービス付き高齢者住宅」のサービスと契約の違い

有料老人ホームは、その施設の利用権を得るということになります。利用権とは、部屋はもちろんのこと、生活に必要な食事の提供や、介護付きであれば介護サービスを受けることができます。利用権を得ると同時に、これらのサービス契約を「包括(一括)」して結ぶことになります。つまり、サービス全体をまとめて契約することによって、施設内で全てのサービスを受けることができます。また殆どの有料老人ホームでは、終身で看取りが可能となっています。

介護付き有料老人ホームでは、介護保険の適用(特定施設)を受けていますので、毎月の支払項目は、「部屋代」「食費」「管理費」の他に「介護費用」と「介護保険自己負担分(1~3割)」があります。

サ高住は、部屋の賃貸契約を結び、その他の安否確認、生活支援、食事提供は別途契約を結ぶというものです。運営事業者によっては、別途契約を施設と同一事業者がおこなっているところもあれば、外部の事業者に委託しているところもあります。とくに介護サービスや食事提供は外部の委託事業者と契約することが多いようです。

介護サービスを受けている人の毎月の支払項目は、「部屋代」「食費」「管理費」は事業者と基本契約を締結し、「介護費用」と「介護保険自己負担分(1~3割)」は介護サービス事業者と契約を締結します。

参考: 有料老人ホームには、「介護付き」と「住宅型」の区分けがあります。

前者は文字通り、介護が必要な人にはホーム全体で支援するものです。

後者は、自宅的な住まいの提供となり、介護が必要になった際に、外部の介護事業所から部屋に介護支援にきてくれるものです。

参考: サ高住は旧来あった高齢者用専用賃貸住宅等を高齢社会に対応するために制度化したものです。賃貸住宅ですので、入居するのも退居するのも自由です。2011年設立時は住宅建設で景気向上の意味もあり国土交通省と福祉政策の一面ということで厚生労働省が共同で推進しています。