おひとり様の老い支度 ⑦財産・不要品の処分

今回のテーマ 「財産・不要品の処分」 7回目

           発行10/25/2020

社会福祉士 北村弘之

誰しも長年の生活の中で、様々なものを購入したり、いただいたりして家中のいたるところに保管されていることでしょう。本、衣類、履物、趣味・嗜好品といった生活に密着するものもあれば、電気製品や調理器、お茶碗といった毎日の生活に欠かせないものもあります。

その中でも一番大事なものは何と言っても、預金通帳、保険証券、不動産(自宅等)です。おひとり様のみならず、これら大切なものは一覧表に、銀行名や番号等記帳しておくことです。そしてできるならば信頼できる人に一覧表を託すことです。おひとり様であれば、部屋の壁に貼っておくこともよいでしょう。また品物で処分しにくい思い出の品もあるでしょうが、生前に毎年少なくしていくことも大切かと思います。本人が亡くなれば、他人が処分することになりますので、わかりやすくすることが大切です。

私はここ10年ほど後見業務をおこなっています。私がまず行うことは金融資産や不動産等の「資産」の洗い出しです。次に行うのが部屋にあるメモや書類から生活に関わってきた関係者の洗い出しです。実際に通帳がなく銀行の窓口に行き、照会してもらったり、また支払が滞っている督促通知を発見したりして対応しているのが現状です。そして、一番大変なのは、親族との関係図です。この関係図がないと戸籍を追いかけることになり大変面倒になります。 後見業務は親族がいても疎遠な場合もありますが、おひとり様の場合が圧倒的に多いのです。

そこで、「エンディングノート」というものをご紹介しましょう。書店で販売していますが、さしあたり下記に最低限の記載項目をあげました。おひとり様の場合、このような項目を記載しておくことは大切です。

7回目 財産不要品の処分 1

印刷はこちら⇒老い支度 おひとり様 「財産・不要品の扱い」⑥