時代が変わっても生きるメッセージ(9)

リーダーへの心得 (31)

  • 「強くて良い会社」へ (花王㈱取締役会長 後藤卓也)

  強くないと競争に勝ち残れず、良くないと社会から存在を認められない。

  • ミツカン、挑戦のDNA

 「脚下照顧に基づく現状否認 (自分自身を常に顧みて現状を追認しない)」

※「心眼」 ものごとをはっきり見わける鋭い心の働き。

  • どんな悪い事例とされることでも、それがはじめられたそもそものきっかけは立派なものであった。                  (ユリウス・カエサル)
  • 「働くことの意味」   (大庭健 「いま、働くということ ちくま新書」)

働き手に見えない人々のいのち、生活、人生が「穏やかに連鎖していく」ことに自分の労働が役立っているかを想像できること、それが労働の喜びを得る鍵だ。

  • 創造は「無駄・冒険・挑戦」 (ダンスのゴッドマザー 黒沢 美香)

 

※ 丹精  受け取る相手のためにできる限りを尽くすように示す言葉。

 

  • 経営者は常に変化に対応し、人や組織を正しい方向に導かねばなりません。 私は、これを「戦略力」と呼んでいます。 (マイクロソフト日本法人社長 樋口 泰行)
  • 元気なのは、生きる目標がきっぱりしているため。

 

  • 心が変われば態度が変わる。

・態度が変われば行動が変わる。

・行動が変われば習慣が変わる。

・習慣が変われば人格が変わる。

・人格が変われば運命が変わる。

・運命が変われば人生が変わる。

  (楽天の野村克也がよく口にするヒンドゥー教の教え)

  • ギリシャ人が人類史上もっとも輝かしい文化の基礎を築き得たのも、かれらにすぐれた問題作成の力があり、”なぜ”を問うことができたからだといわれる。 (外山 滋比古「思考の整理学」(ちくま文庫))

※ イノベーション  多様な働き方を可能にし、埋もれた人材を活用すること。

  • 企業とは、従業員の魂の塊だと芝野は思っていた。だが、それは数値化できないものでもある。数値化はできないが、それがあるかないかが企業の将来をはっきりと左右する。だから真の企業再生家は、数値化できない魂の部分を見抜くことでその企業の価値を判断すべきなのだ。  (真山 仁 「ハゲタカ Ⅱ」 講談社文庫)
  • 「ブランド」とは、顧客信頼感のカタマリです。 (花王)
  • 「報告書」とは投資したい、働きたい、製品を買いたい、工場を誘致したいなど、関心をもっている人たちへの判断材料です。

 

リーダーへの心得 (32)

※「本業力」とは、本業と決めた仕事に専心し、新たに何かを始めるにしても本業の延長線上にあるものに限定するという、老舗の矜持(きょうじ)が生み出す力を指している。(野村 進 ジャーナリスト)

  • 藤堂としては、あくまでも積極策を進める方針であった。背伸びしている中(うち)に、ほんとうに背が伸びるということもある。種子(たね)は広くまかねばならない。 拡大政策をとり続けて行く中、どれかが芽をふくであろう。       (城山 三郎 「役員室午後三時」 新潮文庫)
  • 正信が屹(きつ)と秀忠を見た。 背筋が伸び、眼の光が鋭さを増している。

「どんな名分のもとに、ですか」

「危険を未然に避けるためだ。名目なぞなんとでもつく」

正信の顔に嘲(あざけ)るような表情が浮かんだ。

「名目はでっちあげられても、名分は立ちませんぞ。名分の立たぬ合戦は大坂で沢山です」 (隆(りゅう) 慶一郎「捨て童子・松平 忠輝」講談社文庫)

  • 歴史とは、所詮、著名な事実の羅列である。(アナトール・フランス)
  • 人は、真実を見抜く眼をもっていないのではない。ただ往々にして、真実であってほしいと思っていることを、真実と見てしまうものなのである。

   (塩野 七生 「レパントの海戦」新潮文庫)

  • みんなからちょっとはみ出して、それを逆に売りにして生きるっていうのが社交性ね。                             (京都大学名誉教授 森 毅 80歳)

 

※「ヘリテージ」(遺産)とは  「残されたもの」ではなく「後の世代に伝えるもの」という未来に向けた意味合いがあることが強調された言葉。

  • 「元気な時は厄介だが、失って初めてかけがえのないものだったと分かるのが家族」                             (「歩いても 歩いても」の監督 是枝 裕和)
  • 上司は部下の失敗に追い打ちをかけるのではなく、いかにフォローするかが大事
  • 「『ごめんなさい』と『ありがとう』を言うべき時にちゃんと言えるか言えないかで、人生、ずいぶん違ってしまいます。 (「ことばの杜」代表山根基世)
  • この日、例によって大坂城では延々たる会議の連続だった。 会議が無闇に多くなるのはその集合体が滅びに向かったしるしであることは古今を通じての真実である。 まして一瞬の勝機に生命を賭ける合戦において、会議が多いのは敗北につながる。  (隆 慶一郎 「影武者 徳川 家康」 新潮文庫)
  • 「歴史とは完全を求めようとする人間の意志である」(海音寺 潮五郎)
  • 「人間には誰にも、自らの死を犬死と思わないで死ぬ権利がある。 そして、そう思わせるのは、上にある者の義務でもある」 (塩野 七生 「ロードス島攻防記」新潮文庫)

 

リーダーへの心得 (33)

※ リーダー、どんな時でも自分のペースを守れた人間ほどいい結果が出るのだ、普通にやろう。

  • ちなみに云う。この頃の吉原の太夫(たゆう)は一切化粧をしなかったという。髪に油をつけず、肌にお白粉(しろい)を塗らない。 全くの素顔だったという。それは己の美貌に自信があったからではない。 装うことなく、むきだしの素肌で、いい換えればむき出しの心で客と接したいという願いの現われだったのである。   (隆(りゅう) 慶一郎「かくれさと苦界行」 新潮文庫)
  • 文化といってもいろいろな文化があった。

文化勲章や文化鍋のような文化もあった。ところがこちらは烏賊(いか)の塩辛をいかにおいしく工夫して食べるか、目刺をいかに上手に干して焼くかの本物の文化であった。はやりすたりがなかった。

           (立原(たちはら) 正秋(まさあき) 「その年の冬」 講談社文庫)

  • リーダーとは、イノベーション「新しいアイデアの社会的価値の獲得」を発想できる人。
  • “均等法二世”といわれる現在の若者たちは、結婚や子育てを含め、自己実現できるかどうかという観点で企業を見ています。 働きながら家庭を大事に築けるか。これに取り組まない会社は、世の中から取り残されるのではないでしょうか。 (資生堂副社長 岩田 喜美枝)
  • 一人で居酒屋を楽しむのはごく「普通の暮らし」で、行けない状態が「貧困」だ。(橋本 健二 「居酒屋ほろ酔い考現学」 毎日新聞社)
  • 「今の若い人はすぐ私には無理と決めつける。でも、何事もやってみないとわからない。会社は人を育てる。本人も気づかない適性や能力を引き出してくれる。 企業勤めならではの妙味で、サラリーマンって本当に面白い。            (NTTコミュニケーションズ取締役 小林 洋子)

※ リーダーの役割は、ビジネスモデルをしっかりと構築すること。 「技術では勝ったが、ビジネスで負けてしまった」ということでは話にならない。

  • 『美しい』ってなんだろう ?

それは「約束は必ず守る」という美学である。       (もりむら・やすまさ 美術家)

  • わたしにとっての贅沢(ぜいたく)は、よく仕立てられた服で、一つのコスチュームが五年くらいはちゃんともって着られるものだ。古くて、使い古したものというのが、わたしの夢だ。アメリカでは何でも捨てる。だからしっかりしたものは何もない。

洗いもしないし、洗いに出しもしない。一度ドレスを洗いに出したことがあるけど、ボタン一つしか残っていなかった。これがアメリカだ。

贅沢の反対、チープだ。なんと嫌なのだろう。  (ココ・シャネル)

 

リーダーへの心得 (34)

  • リーダー、ちょっと外れてると見られがちな人間こそ、これからの時代の必要なリーダーなんじゃいかと思うんです。 「日本は今、すべての面でリスクを負わないリーダーばかりになってしまって、その結果が今の政治や経済にも表れている。リスクを負わないと、想定内のことしか対応できないリーダーしか育ってこない」(中竹 竜二 早大ラクビー部監督)
  • 「考え抜け。頭を使いすぎて、早死にしたやつはおらん」

                              (三井ハイテック創業者 三井孝昭)

  • 松下幸之助は

 「天下の人、天下の金、天下の土地、天下の物資を預かって事業を営む会社は『公器』だ」述べ、社会からの預かりものを生かせない企業は許されないと断じた。

  • 「仕事」とは、言い換えれば、「高い賃金、高い社会的威信、大きな権力、多くの情報」というようなものを人間にもたらす「機会」のことである。                  (内田 樹(たつる) 「ためらいの倫理学」 角川文庫)

※ ブラックボックス 製造業には独自ノウハウが存在する。

他にまねができない秘密や他が手を出せない領域をブラックボックスと言う。

  • こだわっているのはブランドではなくデザイン。 デザインは絵や音楽と同じように、人の感情を換起する。まず見て、次に使ってみて心が揺さぶられる。デザインと機能は両立していなければならないのです。       (仏・レクソンの代表兼デザイナーのルネ・アダ)
  • ファツションは、無形の価値を操作する技術である。 (グラフィックデザイナー  原 研哉)
  • 「プロ野球選手の実力とは、数字を超えて突出する過程の美しさだ」

   <権利としの走塁を阻止する送球の殺意が試合を面白くする>

   <セーブはどこか堕胎(だたい)を思わせて不快である>

   <爽快なエラーはプロ野球に不可欠の積極的なプレーである>

                  (女流華道教授 草野 進(しん) 「世紀末のプロ野球」角川文庫)

  • 「仕事の大変さの中で、想像力や他者を思いやる’心のゆとり’が枯れている。絵本を日常的に座右に置くことでケータイ、パソコンから離れた、別次元の時間の流れに心を移せ、感情や想像力をゆっくり再生できます」                                                    (作家 柳田 邦男)
  • ふしぎだと思うこと、これが科学の芽です。  よく観察してたしかめ、そして考えること、これが科学の茎です。そうして最後になぞがとける、これが科学の花です。(朝永 振一郎)

※ 真の名著(めいちょ)とは、何時どこにおいても、いかなる状態の人間にも、燃ゆるがごとき情熱と憩(いこ)いとを与えてくれるものである。

(注意:この資料は1990年代のものです)

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