正月の講話

 

社会福祉士 北村弘之

 私は、正月に菩提寺であるお寺(町田市にある孝養寺)に「修正会」の会に出かけております。亡き父親から引き継いだものですが、先祖の墓参りと兼ねて参会しています。 修正会(しゅうしょえ)とは、毎年正月の初めに、旧年の悪を正し、新年の天下泰平を祈念する集まりで、毎回50名ほどの檀家がお寺の外陣(畳の大広間)で和尚さんと一緒にお経を読み上げ、そして和尚さんの講話を聴いています。(正月の他にも、お彼岸と旧盆等にも集いがあります)

令和初の修正会の講話は2019年の流行語大賞にも選ばれた言葉「ワンチーム」でした。ワンチームというフレーズをかけて、2つ話がありました。その一つは、孝養寺の内陣(仏壇の間)には、「大日如来さま」「阿弥陀さま」「薬師さま」「お不動さま」といろいろな仏像があります。このように一つの寺院に異なった仏像の集まりもワンチームというもの。

二つ目は、「春の七草」もワンチームというのです。春の七草とは、「せり、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、すずな、すずしろ」です。この中で、日本古来以外の外来のものがあるとのことです。(メモしなかったので詳しいことは不明です)。つまり、春の七草は日本原産ばかりでないとのことです。

人間社会は、今後ますますグローバル化、多様化していき、50年後には現在の米国や英国、仏国などと同様、国籍的にはいろんな「日本人」であふれているのではないかと思われます。そこにはお互いを理解する気持ちがあることで、よりよい人間社会を作っていくのではないかと、ワンチームの話を聴いて考えました。

また、講話の中で、下記の本の紹介がありました。

表紙のタイトルがよいですよね。「女らしくなく、男らしくなく、自分らしく生きる」この本の著者(つゆの まるこ)はれっきとしたお坊さんであると同時に、落語家でもあります。家族の事情や病気といったことの中で、自分らしく生きることは大変ですが、一度立ち止まって、自分を考えるの必要ですね。

最近読んだ新聞記事にも次のような文書がありました。「変化が激しい時代。飛び込んでみて『違う』と思えば方向転換すればいい。将来の不安がない人はいないし、特効薬もない。自分で選んだ道を、自分の『正解』にしていけばいい」と。 若い人にはもちろんですが、不安のある40~60歳前後の人にも考えるキッカケとなってほしい言葉です。

私は、「人生は一回しかない。そして後戻りできない。自分に合った仕事をし、人に喜ばれる仕事をしたい」と思い、サラリーマン生活から大きく舵を切り替えました。いつまで続く人生かは誰もがわかりません。その中で、毎日を大変だけど精一杯の時を過ごせるのはありがたいことです。          以上

印刷はこちら→正月の講話から2020年 春の七草 本 団姫