車山神社の御柱祭り

2022/10/10

車山神社の御柱祭り

社会福祉士 北村弘之  

7年毎にある長野県の諏訪大社(上社・下社)の御柱祭り。木落しがあったりする勇壮な神事で有名ですが、今年はコロナ禍の影響で地元の人のみの参加となり、5月3日私は曳行を見物するだけとなり残念でした。

ところが8月下旬から10月にかけて地元の各地域にある神社の御柱祭り(小宮祭)が行われ、それに参加できると聞いて早速申し込みました。それが今回ご紹介する「車山神社の御柱祭り」です。

車山神社の御柱祭りは別名、「天空の御柱祭り」と呼ばれています。茅野市の車山の頂上(標高1925m)の車山神社に、御柱を人の手で上げるものなのです。といっても、ふもとからでなく、1800mの中腹から上げるのですが、それでも標高差は100mあり、平均斜度は15度(推測)ほどあり大変な曳行でした。

9時過ぎに始まった神事に続いて、地元の氏子による観光客への曳行の掛け声の練習。もちろん地元の氏子は祭り中心ですが、我々観光客が主な曳き手になります。その数は150名程。地元の氏子は法被を着て行程の我々を指導する人、そして地元旅館の女将さんたちの木木遣り部隊、援軍のラッパ隊となり、合計で200名ほどはいたでしょう。木遣りとラッパに後押しされ、御柱を曳くも、30mほど進むと一服の状態です。御柱は長さ7mで直径50cmほどですが足場の悪い斜面を小学校の綱引きで引いたような頑丈な綱を引くものですからすぐに息があがるのです。途中何回もあった休憩時には、疲れはあるものの知らない者同士がお互いに声をかけ記念写真を撮りました。そして最初に神事を務めた神主と巫女も一緒に登って声援の輪に加わります。頂上についたのは12時30分頃。そこは富士山や北・南アルプスが見える絶景ポイントでした。特製の「御柱弁当」をいただいた後は、御柱を建てる神事に入りました。神主の御言葉や巫女の舞いなど、普段あまりみない所作にすっかり見いっていました。

観光客の参加も多くあったためか、神事では地元の人だけでなく、観光客の代表も参拝や御柱に乗ったりできました。残念ながら私は選ばれませんでしたが、御柱を建てる前の休憩時に神主と巫女さんと一緒に写真撮影ができたことはよい記念になりました。

この7年毎の御柱祭りは、伊勢神宮でおなじみの式年遷宮と同じ意味があるそうです。それにしても、諏訪地方の長年続く祭には、子どもの参加もあって町全体の一体感が醸成される催しだなあと思いました。だからこそ、多くの人が楽しみにくるのでしょう。木遣りで参加していた小学生は、法被を着た父親や母親の姿を見て、そしてその父親母親は、先輩を見て育っているという感じを強くました。