7年毎の御柱祭り

2022/5/20

「7年毎の御柱祭り」

—信州 諏訪地方—

社会福祉士 北村弘之  

信州にある諏訪大社は全国に1万を超える諏訪神社の総本山です。私の郷里石川県小松市では地元の諏訪神社を「お諏訪さん」と呼んで親しんでいます。その諏訪大社で1200年続く「御柱祭り」が今年ありました。御柱祭りでは、諏訪大社の上社と下社それぞれに山から直径1m、長さ17m、重さ10tになる巨木を8本切り出し、上社は約20km、下社は約12kmの街道を木遣りに合わせて人力のみで、お宮の四隅に御柱を建てるものです。

私は昨年から地元の人の情報をもとに、何とか御柱の曳行ができないものか探っていました。曳行には、諏訪湖周辺の各地区の地元の氏子が総出でとなり、まさに人の力で、山からの切り出しから曳行、そして大社に建てるまでをおこないます。今回はコロナ禍の影響で、山からの山出しは「大型トレ-ラー」に代わり、里曳きは氏子限定となりましので、私は残念ながら御柱を曳くことはできませんでした。幸いにも5月の連休3日には、本宮への里曳きの1本目と2本目を観ることができました。(写真上)

それは、壮大というより、地元での長い間の歴史や想いが伝わる厳粛なものと思えました。地元から離れた人もこの時ばかりは帰省し、氏子として祭に参加し郷土の伝統を守っている心意気を感ずることができました。世の中の人が注目している写真や映像の場面は、法被を着た氏子が斜度のある坂から御柱を落とす「木落し」や、御柱を清める「川越し(写真下)」ですが、今回はコロナ禍のためありませんでしたが次の7年後が楽しみです。

いつもは、「人の手」で、切り出しから始まり、何千人ものの手で街道を曳行くし、氏子の乗ったまま木落し、川越し、そして直径1mにも及ぶ御柱を建てるのですから多くの人の心意気があって実現できるものだと思った次第です。

諏訪地方の諏訪神社では、小さな御柱があり、何とゴルフ場の神社にも小さな御柱があり驚きました。今年、信州では昨年延期になった長野市内の「善光寺の御開帳」もあり、全国から多くの人が集まることになることでしょう。