ちょっと得する情報 No.4

‘22/5/21 社会福祉士 北村弘之

社会福祉士として、福祉分野を中心に相談業務にあたっています。この中から皆さんにお役に立つ「ちょっと得する情報」を提供させていただきます。 今回は第四回目です。

6. 空き家を処分することで、3千万円の譲渡所得控除が可能(特例)

各地で相続なき空き家が増加していることに行政が動き出しました。税制面での空き家抑制対策として「空き家譲渡所得の3千万特別控除」が施行されました。(H28/4月)。相続によって取得した空き家を一人暮らしだった被相続人が死亡した日以後3年を経過した日の属する年の12月31日までに譲渡したときは、その空き家を譲渡して得た利益から3,000万円を控除できる制度です。また、被相続人が相続の直前に老人ホームに入所した場合にも追加適用となりました。(平成31年5月以降譲渡分) この際、相続人が気をつけることがあります。一つは相続開始の日から3年以内に売却した物件であること。二つ目は亡くなってから売却する迄は空き家を何の用途にも使っていなかったこと。三つ目は、更地にすることです。また、建物は昭和56年5月31日以前に建築されたものなどの条件があります。また、この特例適用期間は平成28年4月1日から令和5年12月31日までの譲渡となります。

殆どは土地価格が高い住まい地で築40年以上の建物が対象となります。詳細は、国土交通省のHPと国税庁のHPをご覧ください。

7. 死後の手続きを生前に手配できる!! 「死後事務委任契約」

自分が死んだ後のことを誰に頼んだらよいかという問い合わせがあります。火葬や持ち物の処分を生前に委任できる「死後事務委任契約」というのがあります。代表的なものとして、弁護士事務所などに遺言書作成や任意後見契約と同時に契約する「死後事務委任契約」があります。他に、NPO法人や社協が行っているところもあります。従来は身寄りのない高齢者のためのものでしたが、最近は遠方にいる親族や子どもに迷惑をかけないと考える人も契約しているようです。私の知り合いは、NPO法人「りすシステム」と契約しましたが、何と契約累計数は5千件ということです。

「死後事務委任内容」は契約者が亡くなった後の介護施設などの支払精算、社会保険の公的年金の解約、ガス・電気等の公共サービスの解約、火葬や埋葬の手配等と多岐にわたります。これらは契約書として公正証書とします。また契約と同時に預託金を納めますので第三者機関が預かる仕組みになっています。今後、高齢者の増加と核家族化の中、NPO法人のみならず、行政も社協を窓口に生前における「死後事務委任契約」が増加することでしょう。