ちょっと得する情報 No.2

‘22/3/21 社会福祉士 北村弘之

社会福祉士として、福祉分野を中心に相談業務にあたっています。この中から皆さんにお役に立つ「ちょっと得する情報」を提供させていただきます。 今回は第二回目です。

3.認知症の人は「特別障害者控除」の可能性あり

重度の認知症を抱える人の多くは年金生活者であり、限られた収入の中で生活しています。生活費の他に所得に応じて、所得税や市県民税の支払、そして健康保険や介護保険の納付があります。特に「市県民税」納付要件に該当する人は、介護保険の利用の軽減措置の適用を受けないため、結構な持ち出しとなります。このような中、65歳以上の人で、しかも重度の認知症に準ずる方には「特別障害者控除」という制度があります。認定されると、所得金額から一定金額の控除を受けることができます。(障害者控除対象認定書の交付)。特別障害者に認定されると、所得税計算では所得金額から40万円が控除、市県民税は同30万円控除されます。同様、認知症の軽度または中度に準ずる人には、障害者控除が適用されます。いずれにしても、市県民税が非課税になる可能性があり、介護保険の利用負担額の軽減が図られます。詳しくは市区町村の窓口に相談して下さい。(本人と生計同一者が対象となります)

4.高齢期に資金が必要な人にリバースモーゲージという仕組み

高齢期になって、生活資金や医療・介護費用に不安のある人、また住宅ローンの残債の支払等が継続してある人に、持ち家を担保に資金を借り入れし、自らの家に継続して住める制度をリバースモーゲージがあります。もちろん、趣味等の活用資金にも活かすことも出来ます。この制度では借りた人が亡くなった時に、住み続けてきた住宅を処分して借入金を返済しますので、毎月の返済額は利息のみなので無理のない生活が送れることになります。また借入金の返済は、借入人が死亡した際に自宅の売却などで行います。ただ、長生きすればするほど、最初に設定された融資限度額まで使い切ってしまう長生きリスクがありますので要注意です。また、融資限度額は不動産価格の60~70%となっています。リバースモーゲージの取扱いは金融機関などで取り扱っています。また社会福祉協議会でも「不動産担保型生活資金貸付(東京都の名称)」として取り扱っています。検討の際には、必要資金額、不動産の価値や相続人のことを考慮して相談してみましょう。

また、最近は「住宅リースバック」と言って、売った自宅にそのまま住み続ける民間の商品もあります。これも不動産を売った資金で老後の生活資金とするものです。