事例紹介 老後の生活費 (4/4) 

2022/2/20

社会福祉士 北村弘之

今回も事例紹介です。

事例紹介 ③

【夫は自宅介護が困難になり特養に入所となった場合(要介護5)の生活収支 】

夫83歳は脳梗塞で倒れたあと、自宅で介護サービスの他、リハ通所していたが、歩行や排泄など日常動作全般に介助が必要になってきたことにより、要介護5と認定され特別養護老人ホーム(特養)に入所することになった。

また妻(80歳)は、足腰に不自由を生じてきているが、近くに住む娘さんの支援を受けて自宅で生活している。介護認定は要支援2となった。夫の利用していた介護用ベッドは介護度3以上でないと介護保険の適用はできないが、足腰に不安があるので、そのまま購入することにした。(中古品扱いで7万円であった)

特養はユニット型の個室。夫婦の預貯金は1,700万円あったので、施設入所の軽減措置(補足給付)は利用できず、介護負担限度は4段階となり、特養から提示のあった金額となり、毎月の出費がかさむことになった。

事例紹介 ④

【妻は夫が他界したことから、ひとりでの自宅生活に不安があり有料老人ホームで暮すことになった場合(要介護4)の生活収支 】

妻80歳は関節リウマチの既往症があり、最近は歩行や買い物に不安がある。夫は昨年他界し、ひとりでの生活に不安を抱えていた。長男は一緒に暮らそうと言ってくれたが、迷惑をかけるわけにはいかないので介護付きの有料老人ホームに入所することになった。

有料老人ホームへの入所の決め手は、住み慣れた自宅に近いこと、見学時に入居者の様子が明るく話し相手になってくれる人がいそうなこと、また毎月の支払金額は夫の遺族年金と預貯金で何とかなりそうなことです。

現在の課題は、住み慣れた自宅の処分と、置いてきた荷物や日常生活品の処分(処分費は約50万円)です。自宅(土地)売却額は約2,000万円を想定しており、本年中に息子を通して売却予定です。また、預金額は1,500万円あり、100歳迄の収支を計算して有料老人ホームで生活することにしました。