ひとり暮らしの親のためにできること

働き盛りの人の「親に介護が必要になったら」

今回のテーマ「ひとり暮らしの親のためにできること」No.7 発行10/25/2021

両親が高齢になりどちらかが亡くなった後は、一人になった寂しさと同時に生活の不安がやってきます。身体の栄養源となる食事から不安は始まり、そして一人暮らしならではの「緊急時」の対応などがあります。

ここでは、東京都墨田区の例に「見守られ制度」のいくつかをご紹介しております。是非、一度親の住む市区町村の高齢者福祉サービスのホームページを見ていただくことをお勧めします。各市区町村には、墨田区と同様のサービスがありますので是非見ておいてほしいものです。

□緊急通報システムの利用

 ボタンを押すと「受信センター」に通報が入ります。看護師が対応し、緊急時には「受信センター」から東京消防庁へ救急車の出動を要請します。言葉が出ない時も、どなたから通報があったかがわかります。また看護師は24時間、いつでも健康相談などを受けます。

  • 対象となる方

  65歳以上の一人暮らしまたは、65歳以上の者のみの世帯の高齢者

  • 利用者の負担金(月額)  生活者の状況により異なりますが0~2,570円です。

   なお、緊急通報システムは、東京都以外の多くの地域で実施されています。

□安否確認センサの利用

 自宅居間に設置した人感センサが人の動きを感知し、異常の有無を判断して通報する仕組みです。

  • 対象となる方  65歳以上の一人暮らし、または65歳以上の者のみの世帯の高齢者
  • 利用者の負担金(月額)  1,000円

  □電話訪問(福祉電話)

 病弱等の理由で定期的に安否の確認が必要な方に、高齢者みまもり相談室の職員が週1回程度電話で安否を確認します。また、電話をお持ちでない方には、電話機をお貸しし毎月の電話料金のうち、基本料金を区が負担します。

  • 対象となる方

     65歳以上の一人暮らし世帯で、近隣に親族のいない方

     前年所得税額が42,000円以下の方で、携帯電話をお持ちでない方

□配食みまもりサービス

     高齢者に配慮した栄養バランスのとれた食事の配達を通じて、高齢者の安否確認を行います。

  • 対象となる方

     65歳以上の一人暮らしまたは高齢者のみの世帯の方(家族同居で日中ひとりになる高齢者の方も含みます)

  • 利用者の負担金

  配食の弁当代は実費負担となります。金額は各事業者で異なりますが区からの補助があります。

  ☆配達時に不在、何か気づきがある場合は、ご家族、担当ケアマネに連絡が入ります。

□墨田区救急医療情報キットの活用

  緊急時や災害時に備え、必要な「情報シート」を冷蔵庫に保管し、救急隊が情報を参考にし、迅速に救急活動を行い、命を守ります。119番通報をします。

 駆け付けた救急隊員が玄関ドアのシールを目印①に、救急医療情報キット②を取り出します。 救急医療情報キットを参考に救急隊員や医療関係者などが救急医療活動を行います。情報シート③には、かかりつけ医療機関、緊急連絡先等、健康保険証の写し、薬剤情報提供書(服薬しているお薬)などが記載されています。 (下図)

7-1.救急医療情報セット

□高齢者の自家用車運転

高齢者の運転事故は、社会的な問題になっています。高齢の親を持つ子どもとして、どのようにしたらよいか困っていると思われます。直接、親に話すと喧嘩になり事態はますます悪化します。車は、生活するための大切な移動手段です。

「生活の足」をどう確保するか?通院、買い物をどうするか?

地域の情報を調べたりして、親と一緒に考えることが大切です。手段として次のことが挙げられます。

・免許更新の際に行われる認知機能検査(75歳以上)の結果を検討して、自主返納を勧める。各都道府県の警察で「運転適性相談窓口」があります。ここでアドバイスを受ける。

・損害保険会社の中に、ハンドルやブレーキ操作、速度など、運転傾向を診断するアプリがあります。親の車に同乗して、アプリを使いながら、運転の診断をすることも、説得の材料になる。危険な事例を示し、根気よく運転をやめるようお願いする。

・協賛自動車教習所で、プロによる指導を受け、自分の運転を細かく確認することができる。

・サポカー(セーフティー・サポートカー)への買い替え。

 衝突被害軽減ブレーキ、ペダル間違い時加速抑制装置、車線逸脱警報、先進ライト

                                    以上

印刷はこちら→親に介護が必要になったら NO.7