「おひとり様」の老い支度 ⑪ いろいろあるセーフティネット

    発行2/25/2021

社会福祉士 北村弘之

人々の暮らしを支えるため、日本ではこれまで「社会保険制度(医療保険、年金保険、介護保険)と労働保険制度(雇用保険、労災保険)が拡充されてきました。(これを第1のネットと呼びます)

例えば、医療費がかかった時は、基本的に健康保険が7割を負担してくれます。また、働けなくなった時には「障害年金」「老齢年金」また「雇用保険」の受給があります。また、最後のセーフティネットとして、「生活保護制度」(第3のネット)があります。これは、日本憲法第25条「すべての国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」に保障されるもので、最後の砦となる社会保障政策です。サーカスの綱渡りや曲芸では、万が一失敗して転落しても、舞台裏にはさまざまな安全網が張り巡らされているのと同様、国民生活からみれば貧困状態に落ちるのを防ぐ最後の安全網が生活保護制度なのです。

その中間層が「生活困窮者自立支援制度」です。(第2のネット)これは、新しく生み出されたもので、非正規社員のみならず不安定な就業者に対して自立を促す制度です。

(図は厚労省)

11回目 セーフテイネット

おひとり様のみならず、働く意思はあるもののなかなか安定した生活を送ることができない、また仕事に就けない、あるいは技能を身につけたい人のための制度で、一時的な金銭的支援もあります。

主な支援策は、住いを確保するための家賃補助、就労に向けての訓練支援、家計相談等です。

生活保護制度また生活困窮者自立支援制度の相談窓口は、各市町村にありますのでHP等で確認してください。

とにかく、おひとり様になっても社会との関わりを絶えず持ち続けるためには、近所の顔見知りや知り合いと連絡することが大切です。そうすることによって孤立を防ぐことが可能になってくるのです。

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