おひとり様の老い支度 ⑩ 葬儀と墓

今回のテーマ 「葬儀と墓」 10回目

         発行1/25/2021

社会福祉士 北村弘之

人生の最期は死となります。おひとり様でも、近いところに親族が住んでいる人は、ご自分が亡くなっても「どのような葬儀をしたいか」また「どこに納骨してほしいか(墓)」は生前に意思を明確にすることは比較的可能です。しかし、頼る人がいない場合は、「遺言書」に葬儀や納骨に関して記したものを残しておくことがよいでしょう。但し、遺言書は生前には開けることはできませんので、エンディングノートのようなものに自分の意思を明確にして、信頼できる人に託すことも一つの方法です。

さて、最近のおひとり様の葬儀についてです。少なからず身寄りがいる人は、「家族葬」と称して、関係者で見送ることが多いのです。仏教の場合、通夜、告別式、そして火葬という流れが一般的です。私が担当しています被後見人の多くは、身寄りのないおひとり様ですので、通夜や告別式はなく、いきなり火葬場で直葬となっています。火葬後の納骨は、永代供養のできるお寺や公立墓地にお願いしています。もちろん費用はかかりますが眠るところがあるので安心です。最近は、このようにおひとり様でなくとも、子どもが遠くにいたり疎遠になったりで、永代供養を選択する人が多くなっています。

10回目 葬儀と墓1

 

また生前において、「墓じまい」をする際にはご自分の意思で墓を管理する管理者に申し出ることができます。これを改葬と言います。もちろん費用と時間はかかります。

また、実家をたたむ時や引っ越しの際に悩むのが仏壇の扱いです。継承者がいない場合や置く場所がないという理由で「仏壇じまい」を選択する人もいます。そのような場合、仏壇業者やお寺に相談してみましょう。いきなり、遺品整理業者に依頼する方法もありますが、やはり先祖の供養をすることを忘れないようにしたいものです。

印刷はこちら⇒老い支度 おひとり様 「葬儀と墓」⑨