文化都市 十和田紀行

2020/10/20

文化都市 十和田紀行

–十和田市現代美術館と十和田湖–

社会福祉士 北村弘之

東京駅から新幹線で八戸駅まで約3時間。レンタカーで約40分走り、十和田市内に入りました。市街地は小さいながらも碁盤の目になっており、フラットな土地の上に整然と建物が配置されていました。幅50mもある官庁街通りには、名前のとおり市役所や消防署、病院などがあり、その中の一つに今回の訪問の目玉である「十和田市現代美術館」や草間彌生さん他の作品などを屋外展示している「アート広場」があります。また官庁街通りには、戦前馬の産地であったことを表した「馬のオブジェ」がありは今にも走り出しそうな勇壮な姿でした。

□十和田市

十和田市現代美術館は、世界で活躍している現代作家の作品を、小さいながらもひとつの建物の中に一点ずつ展示してあり、大変見ごたえのある作品ばかりでした。とりわけ写真にあるような女性像は高さ4mあり、今にも声をかけてくるようなリアルさがありました。館外の庭にも作品があり、官庁通りからも見えるユニークな建物の美術館でした。また、官庁街通りを挟んだ反対側には「アート広場」があり、誰でもが自由に作品に触られるような展示の仕方がしてありました。また、市内には有名な建築家である安藤忠雄氏が設計した「市民図書館」や、隈研吾氏が設計した「市民交流プラザ」があり、狭い市街地でありながらまさに小さな文化都市といった感じでした。

夕食は、十和田市に在住の後輩と一緒にB級グルメのグランプリをとった「十和田バラ焼き」の店に行き、地元フードを堪能しました。バラ焼きとは、牛バラ肉とタマネギとを炒めたもので、その香りのよさにつられてアルコールの勢いも上がりました。十和田のバラ焼きの発祥は、三沢基地で働く人のものだったようですが、なかなかうまかったです。

 

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 □十和田湖

奥入瀬渓流の散策後は丁度お昼時でしたので、湖畔の料理屋で「ひめます料理」をいただきました。何と明治時代に北海道の支笏湖からひめますの卵を十和田湖に移し孵化に成功させてというもので、現在では十和田湖の名物となっていました。食事後、遊覧船で休屋から子ノ口まで50分で湖上から初秋の風景を楽しむことができました。十和田湖は、大規模な火山噴出があり火口が陥没したカルデラ湖ですが、最新の噴火は約千年前と言いますから、活火山は今も湖の下でエネルギーを蓄えているのでしょう。それにしても、展望台(御鼻部山)からみる十和田湖は本当に美しく、大きかったです。最大水深は326.8m日本で第3位、面積では12番目ということです。

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十和田湖の地名は、アイヌ語の「ト(湖)」「ワタラ(崖)」が語源のようで、北東北の各地ではアイヌ語の地名がよくあるようです。十和田湖の近くにあった「宇樽部」は”うたるべ”と呼びますが、これもアイヌ語かもしれません。

奥入瀬渓流、十和田湖とも、どの季節であっても豊かな自然と水を感じることができそうです。次回は春の芽吹きのある季節に行きたいものです。

以上

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