時代が変わっても生きるメッセージ(7)

リーダーへの心得 (23)

  •  「ラグビーは子供をいち早く大人にし、大人にいつまでも子供の魂を抱かせる」 (元フランス代表主将 ジャン・ピエ-ル・リーブ)
  • 企業は人から成り立っている。千人の社員がいたとして、一人ひとりは十の出会いを持っていれば、その企業は一万の出会いを有していることになる。

これは企業にとって貴重な財産である。出会いの力が発揮されるのは、十年あるいはそれ以上後のことかもしれない。しかし出会いほど不思議で、しかも大きな力を持つものはない。                                         (日東電工 相談役 山本英樹)

※ これからのリーダーに求められる資質

第一は幅広い見識に裏付けられた明確なヴィジョンを有していることである。そしてその内容をわかりやすく説明できる能力が必須である。

次に確固たる信念に裏付けられた実行力である。理不尽に満ちた修羅場をくぐり抜けることによって鍛え上げられた胆力が重要である。

三点目は私心のない透徹した判断力である。澄み切った心がカギとなる。

欧米社会で尊重されるインテグリティ(高潔な人格)がその根底にある。

 

  • 「眼前の利に迷い、永遠の利を忘れるごときことなく、遠大な希望を抱かせることを望む」             (三井物産の初代社長 益田 孝)
  • 「観察の領域において、偶然は構えのある心にしか恵まれない」

                     (フランスの化学者 細菌学者 L・パスツール)

※ 故郷(ふるさと)とは、シャツ一枚でゴロンと縁側で気楽に寝転がれる場所 (山田 洋次)

  • 「人間の能力は、もって生まれた「天性」を、どう「育成」するかで決まる。自分の特性をどう活かせば活躍できるのか、そのシナリオを創作する能力を身につけることが大切だ」(江崎玲於奈)

※ 進歩というものは、当たり前とされていることに、いつも挑戦するということだ。(バレンボイムとサイード「音楽と社会」)

  • やらなきゃいけない仕事なら、楽しくやらなきゃ (元ソニー 取締役 黒木靖夫)
  • 女性は目の前の仕事に精いっぱいになりがちだけど、雑談を通して自分の幅を広げると次のビジネスチャンスにもつながるはず。  (コングレ常務取締役 武内 紀子)

※ 老化とは、「熱意や生きる信念や進歩への意欲の低下」

  • 「人間らしい生き方とはそれを妨げる不当なものに屈しないことだ」 (共産党元議長 宮本顕治)
  • 二足のわらじ ~ 「大切なのは、人間としてどれだけ面白いか、です。科学の専門分野の話しかできない人ってつまらないですよね。歌人でも同じ。全く異なる分野のことをやってきたおかげで、面白い人にも面白い現象にも双方で出会えた。しんどかったけれど、人生を他人より二倍、面白く過ごせたのではないか」 (京都大学 永田和宏 「短歌と科学」)

 

リーダーへの心得 (24)

※ よい経営(渋沢 栄一流の)とは

   「論議(道義)と算盤(計数)の一致に努めること」

  • 「ドゴール大統領がマスコミに失政を責められたときの有名な弁明を教えてあげるわ。フランスには四百種類ものチーズがあって、国民はそれを銘々勝手にあれが好きだこれが好きだといって譲らない。そんな国民全部が満足する政治なんて誰がやってもできはしないと言ったのよ」 (海老沢 泰久「美味(びみ)礼讃(らいさん)」文春文庫)
  • みんなが無理だと思い込んでいることにチャンスが潜む
  • 『始末(しまつ)する』という言葉がおますやろ。ケチと違いまっせ。安いもん使うて、いらとこ捨てるんやない。ほんまにええもんをムダなく全部使う。これが結局は安うつきます。これが『始末』がええというもんだす。その方が健康にもよろしおまっせ。モノを生かし切る。こういう精神をもっと日本はもたなあきまへん。                                     (浪速料理研究家 上野 修三)

 

  •  その頃の丸善には、ハイカラな空気、香気があり、二階の洋書部へ上がらなくても、階下で洋品の買い物をしても、普通の店と違ってた。毎年の秋に、丸善で売出す帽子やマフラは、舶来品に手が出ないが、国産の安物はゴメンだという手合いにちょうど恰好だった。東京生まれのサラリーマンは、誰も彼も丸善の装いをした時代もあった。その時代の丸善はなつかしい。今はデパート並みの大きな店となり、特色を失った。(獅子文六「ちんちん電車」河出文庫)

※ 礼儀作法は、相手との距離感を調整する技術。 (ケータイは?)

  • 「子どもの好奇心を、つまらない好奇心から意味ある次元の高い好奇心に導いていくということ、私は、これが科学教育のひとつの基本的な考え方ではないかと思うのです。                                  (朝永 振一郎)

※ エリート

学問の無味乾燥な基礎の基礎を叩き込まれ、鍛えられ磨かれた知性を持つ人々、言い換えれば、世論に雷同せず、強固な「公論」を形成して危機に対応できる人々のことである。 (国際日本文化研究センター教授 猪木 武徳)

  • イワシの栄養 = 「老を養い、弱を育て、人を肥健にして長生きさせる」

※ ナイトサイエンス

昼間は研究を一生懸命やる。ナイトサイエンスは異業種の交流であり、いろいろな人からヒントを得る

  • 革新を実現するキーは、経営者の手腕や倫理と「額(ひたい)に汗してチャレンジする」普通のエンジニアを中心とする人的ネットワークや第一線の力量にある。

 

リーダーへの心得 (25)

 

  • 株式会社は、「リスク挑戦を行うための社会制度」である。
  • 経営者の仕事はキャッシュフローを積み上げることではなく、成長のストーリーを描くことである。
  • 研究人生の中で、才能を発揮できる人と、できない人の差は、本気になって集中するか、本気にならないまま一生を終えるかの差でしかない。
  • 「未来の半分は運命にかかっているが、半分は人間が操作できる。だから運命を知ったうえで先手を打て。そして運命の女神を打ちのめし、突き飛ばせ」(マキアヴェリ「君主論」岩波文庫)

※ 想像力とは、無から何かを生み出す力でなく、対象の歪んだイメージを本来の形に戻すことだ                                                             (G、バシュラール 哲学者)

  • 「プロの物書きはまず第一に職人である。そして、ときに芸術家となることはあっても、売文業に成り下がることは決してない。それはいついかなるときも全力を尽くすからだ。それがどんな分野の仕事であろうと。」

         (ローレンス・ブロック「バランスが肝心」 ハヤカワ ミステリ文庫)

  • 「最も快適で、最も報いられ、しかもお金がかからない時間の使い方は仕事なのだ」 (ヒルティ「幸福論」白水社)
  • あらゆる組織は、多様性を維持しているときは栄え、「栄えている」

・ 創意工夫の才を持った人

・ 新しいビジネスモデルを見つけ出す直感に恵まれた人

・ 支配的な価値観に懐疑をいだく人

・ 意外なものを結びつけるネットワークを持つ人

 

  • 労働というものは本質的にはオーバーアチーブなのです。 言い換えると、人間は常に自分が必要とするより多くのものを作り出してしまう。 その余計に作りだした部分は、いわば個人から共同体への「贈り物」なのです。  (内田 樹 「下流志向」 講談社)
  • 「コックで大事なのは要領じゃないよ。誠実さだ」 (ホテルオークラの総料理長 小野正吉)

 

※ マーケティングとは、「お客様の視点から、最適な売り方を考えること」 顧客と同じ目線でどうすれば買ってもらえるかを考えること。

  • 「経済ばかり追及すると、お客様やヨウカンに失礼だ」(鎌倉市の和菓子店 店主 内記(ないき) 進)
  • 「ふるまいは精神の衣服である」  (フランシス・ベーコン)
  • 「こたつ」は家族だんらん生む力
  • 小説を読むとは、「自分以外の人間の眼球で外の世界を見ること」

 

リーダーへの心得 (26)

※ 「エコノミー」とはギリシャ語の「オイコノミヤ」、原義は「家政」、つまり「家の中にある限りのもので切り盛りすること」である。

    私たちは「手持ちの資源でやりくりする」ことしかできない。使えるものは何でも使うこと。そういう使い道があるとは思わなかったものの思いがけない用途を発見かること。それが「家政」の要諦である。       (神戸女学院大学教授 内田 樹)

  • 「倫理」(池波 正太郎流の) ― 日ごろの身だしなみ、心構えとそして生き方のこと
  • ― すき間がなくなった理由は。

「各チームがラクビーを突き詰め、無駄をなくした結果です。当事者はそれで素晴らしいラグビーになってきたと思っている。ところが実際には『昔のほうが面白かった』という人が多い。もの作りも一緒かもしれない。アホな部分とか、遊びの部分がなくなってしまうこと、これ、おもろないなあってなるじゃないですか。」         (神戸製鋼GM兼総監督 平尾誠二)

  • 「軍隊にとって最も大切なのはモラール(士気)だ」 (ナポレオン)
  • 成功とは金持ちになることじゃない、夢を果たすことです。  (漫画家 松本零士)
  • 企業経営は答えが決まっていないものに対し、答えを作る作業だ。

        (富士フィルムホールディングス社長 古森重隆)

※ イノベーションとは、アイデアと、それを創造する人に投資することだ。

                                     (フィリップス社長兼CEO、ジェラルド・クライスーリー)

  • 「不幸な時にはできるだけ静かにしているのがいい。そして不満の感情はすべて抑えるほうがいい。というのは、こうした出来事のなかにはどれだけの善いものと悪いものが含まれているのか、我々には評価できないからである。 また同時、短気をおこしても何の助けにならないからである。

                                                        (プラトン 「国家論」 岩波文庫)

  • 政治家というのは、理念を語り、道筋を示し、行動する職業です。

           (高村 薫 「作家的時評集2000-2007」 朝日文庫)

※ イノベーションとは、『変化する能力』― 市場の変化に応じて新しいやり方を見つける能力   (ファイザー会長兼CEO ジェフリー・キンドラー)

  • 「光を集める生活は/それだけ深い闇をつくり出すだろう」 (詩人 清水 哲男)
  • 「自分探しが強く表現される時代や社会は窮屈ですね。 人間は常にどこかズレた存在でしかありえない、というのが僕の基本の考え。筋を通そうとすると、自己の多様性を失い、強引に別の自分を引っ張り出そうとする。いいかげんさを担保できる精神の柔軟さが必要だと思います。 」

                                                        (精神科医 春日 武彦)

  • トポロジーとは、一言で言えば「ものごとを立体的に考えるセンス」ということである。(福岡 伸一 「生物と無生物のあいだ」講談社 現代新書)

 

(注意:この資料は1990年代のものです)

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