リーダーへの心得 (19)
- シーリアはいつかだれかが科学者一般を評したつぎのような言葉を聞いたことがあった。「彼らはより多くの知識を積み重ねることに一生の大部分を費やすので、ほかのことをする時間がほとんどなく、そのためにある意味では永久の子供のまま成長しない」確かにそれはある程度マーティンにも当てはまるようだった。(アーサー・ヘイリー「ストロング・メディスン」新潮社)
※ じかん<時間> 人間の行動を始めとするあらゆる現象がその流れの中で生起し、経験の世界から未経験の世界へと向かって行く中で絶えず過ぎ去っていくととらえられる、二度と元には戻すことができないもの。 (新明解国語辞典 第六版)
- 研究者になろうというなら、いつかはモノにしたいという研究の卵を三つ四つ抱えておけよ。そうすれば情報過多のなかでもどんな情報を取り、どんな情報を無視するか効率よく判断できるぞ。 (小柴 昌俊「心に夢のタマゴを持とう」 講談社文庫)
- 科学者は論理的でなければならないが、論理の積み上げだけでは十分でない。着実な準備の上に論理を越えた信念と実行力が必要で、そこにこそ幸運の女神が微笑む。秀才であることは、成功するために必要でも十分でもない。 (堀田 凱樹 遺伝学者)
- ポジティブ(積極的)な情熱を持ち続け、ネガティヴ(消極的)な不安を捨てること。これこそが研究に必要とされる、最も単純な動機付け(モチヴェーション)である。(サンチァゴ・ラモン・イ・カバール、脳神経科学の父)
- 「作家としては投入されたものが多ければ産出されるものも大きいという経済公式を単純に信じて努力する他はない」 (城山 三郎)
- コミットメントとは 「必ず達成させなければならない目標」あるいは「確実に実行することを約束する行動」という意味である。
- 成果主義の本質は、目に見えないが効果のある努力をいかに導くかということにある。逆説的であるが、成果主義では成果そのものが問題なのではない。どのような行動を引き出せるかが問題なのだ。
俗に「集中力」と呼ばれている一種の才能は、自分の小さな努力に対する小さな成果という微細な関連を、しっかりと見出すことができる技術を身につけていることをいうのではないだろうか。 (梶井 厚志 「経済学のキーワード」 中公新書)
- とくに、ぼくのような理論物理学者は、二十代から三十代にかけてが勝負だ。 三十代半ばをすぎても芽の出ない人は、思いきって専門分野を変え、チャレンジしてみるといいかもしれない。どんな人でも十年近く一つの分野だけを研究していると、その分野の通説に対し少しの疑問も持たなくなる。疑問を持たなくなったら、新しいビジョンも湧いてはこないでしょう。 (朝永振一郎)
※「問題」とは原因を除くことで解決できるもの。対して「課題」は取り組むことに意味があるもの。
リーダーへの心得 (20)
- —運、つくるべきものだ。
と、むかし道三はいった。光秀はそれを肝に銘じて今日までの指針としてきた。
(司馬 遼太郎 「国盗り物語」 新潮文庫)
- 「努力こそが運を呼ぶ」 (早大ラグビー出身、三井住友銀行専務取締役 宿澤 広朗)
- 研究者に必要な六つの視点
物事をじっくりとらえる「虫の目」と、大きくとらえる「鳥の目」。過去に学ぶ「歴史の目」と、常に技術が市場に出たときのことを考える「未来の目」。そして自分の仕事を客観的に見る「他人の目」と、オリジナリティーを大切にする「自分の目」だ。 (凸版印刷 常務取締役増田俊明)
※ リーダーへの心得 ~ 「社外の人とよくつきあいなさい」
- 「老いて若さを感ずるのは、ビジネス社会での役割を捨てて、もう一度他者との出会い、他者の感じ方、生き方に驚くことのできる能力である」 (比較文化精神医学の野田正彰)
- 「政治とは、情熱と判断力の二つを駆使しながら、堅い板に力をこめてじわっと穴をくりぬいていく作業」 (マックス・ウェーバー「職業としての政治」岩波文庫)
- 「商売の秘訣はお客さまが納得して、喜んで買って下さる最高の値段で売ること。値決めは事業の死命を決する重大な判断である」 (稲盛 和夫)
- 今の世の中を生き抜くには、大仰な人となるか自己完結的な人となるか、二者択一を我々は迫られている。 (春日 武彦 精神科医)
- 「見て気づくこと」「見えないものから見えてくること」の複眼志向を磨いていけば激しく移り変わるお客様の変化にも対応できるはずだ。 (三越の言い伝え)
- 「参考までに教えてほしいんだが、立派な仕事ってのにはどんなものがある?」
「そうね。たとえば、ネジをつくるような仕事。ネジつくる人が一番偉いと私は思う」
「ネジをつくっている、人?」 「そう。 大工場でクルマとか家電製品とかをつくっているいるのじゃなくて、その部品のそのまた最末端の部品をつくっている人」 「どうして、そう思う」
「生産は、彼らから出発するから。株の売買なんて、その労働の上前をはねる商売でしょう? どうせ不採用だからいっておくけど、広告の仕事だって似たようなもんじゃないかなぁ。 所詮 虚業だもん」 (藤原 伊織「シリウスの道」文春文庫)
※ 消費者エゴ
消費者が自分が果すべき責務を放棄して、他者(とくに行政)に責任転嫁する状態を消費者エゴと定義してよいだろう。 (神門 善久「日本の食と農」 NTT出版)
※リーダーへの心得 ~ 「身だしなみが大事。 いつもおしゃれでいろ」
- 「音楽は、生きることの証なのですね」 (仲道 郁代 ピアニスト)
リーダーへの心得 (21)
- ガバナンスとは、企業が健全に運営されるための仕組みのこと。
(しっかり会社が回る仕組みをいかに整えるか)
- 「苦しいこともあるだろう。云い度い(いいたい)こともあるだろう。不満なこともあるだろう。泣き度いこともあるだろう。腹の立つこともあるだろう。これらをじっくりとこらえてゆくのが男の修行である。」 (海軍大将 山本 五十六)
- 「すぐやる。必ずやる。出来るまでやる」 (日本電産の社是)
- 「経済大国というなら、一本くらい自然な川を残せや」 (開高 健)
- 「技術には歴史がある。しかし、技術者には過去はない。ただ創造があるのみ」 (ファナック 名誉会長 稲葉 清右衛門)
- みんなが無理だと思い込んでいることにチャンスが潜む。
※ 経常利益とは、直接の事業活動に基づく利益(営業利益)に、投資活動などによる損益を加味した利益。これを売上高で割ったのが経常利益だ。
- 私は乱暴な独断ではあるが、男の値打ちは選ぶ女で決まると思っている。
(池田 理代子 漫画家、声楽家)
- 「商いってのはお客さまを飽きさせない。自も飽きない。情で結ばれたお買い物」 (サンモトヤマ 会長 茂登山 長市郎)
※ 考古学とは、強い好奇心と行動力が作り上げてきた学問だ。学歴は関係ない。いつも、きわめて、おもしろい (滋賀県立大学教授 菅谷 文則)
- 「リーダーは自分の肉体の世話はもちろん、何より精神の世話ができなくてはならない」 (東大名誉教授 今道 友信)
- 「我々のサービスに満足できないユーザーがグーグルから去るのを防ぐシステムは『絶対に作るな』と社内に言い聞かせている」 (米グーグル エリック・シュミット 最高経営責任者 CEO)
- コモディティ化とは、日用品のように価格がその商品の価値を決める最大の要因となり、商品の差別化によって利益を上げられなくなる状態のことである。
- 弥兵衛は、息をひきとるにあたり、次のような遺言を弥太郎にした。
「おれが、こうして畳の上で死ねるのも、盗人の掟三カ条を、かたくかたく、まもりぬいてきたからだ。 一つ、殺生をせぬこと。一つ、盗まれて難儀するものへは手を出さぬこと。一つ、女を手ごめにせぬこと。この金科玉条を守って盗みをするからには長い年月と仕込みの金が、どうしてもかかる。これを惜しんではならねえ。人さまのもちものを黙っていただき生業を立てるからには、こっちもそれだけ、汗水を流すことだ」 (池波 正太郎「鬼平犯科帳」文春文庫<七>盗賊婚礼)
※ 「真打ち」の語源 ~ “一座の中心として芯を打つ人”ということであった
- 「未来に確実にあるものは不確実だけだ」 (P・ドラッカー)
リーダーへの心得 (22)
※ 管理職とは
厚生労働省の通達によると、従業員の労働条件を決めるなど、全社の労務管理について経営者と一体的な立場にある人です。具体的には、①仕事内容や権限、責任が重大 ②労働時間を管理されない ③地位や仕事にふさわしい待遇を受けている、 の3点を基準に判断します。
- 悪い時がすぎれば、よい時は必ず来る。 おしなべて、事を成す人は、必ず時の来るのを待つ。 あせらずあわてず、静かに時の来るのを待つ (松下 幸之助)
- 私たちマーケティングの仕事というのは、まず売れる仕組みを作ることだと思います。 そして潜在的なニーズをいかに現実のものとするか、宝の山を探りたてるような部分もあります。 (アサヒビール)
※ マーケティングとは
単に市場(マーケット)という仕組みをつくり出すことではありません。 この場合の「イング」は、働きかけて顧客の満足を創造することなのです。
- 「芸術の目的とは、一時的にアドレナリンを分泌させることではなく、生涯をかけて除々に驚異と静穏の状態をつくり上げていくことである。」
(吉田 秀和「たとえ世界が不条理だとしても」朝日新聞社)
- 天才とは努力し得る才だ (ゲーテ)
- 「日本人は貧しい。だが高貴だ」 (戦前の駐日フランス大使で詩人のポール・クローデル)
- 「あなたが何を食べているのか言ってごらん、あなたがどんな人か当ててあげよう」(ブリア・サヴアラン「美味礼讃」岩波文庫)
- 「潜水艦のりの仕事には、技能以上のものが要求される。本能的な勘と職人芸、偏執狂的な自信、そしてプロボクサーのような攻撃性が必要である。
(トム・クランシー「レッド・オクトバーを追え」文春文庫)
- 雑学は「すでに知っていること」を取り出すことしかできない。 教養とは「まだ知らないこと」へフライングする能力のことである。 (内田 樹「知に働ければ蔵が建つ」 文芸春秋)
- 「音楽とおしゃれは文化だ」 (102歳で亡くなった作曲家の高木東六さん)
※ 労働生産性 ~ 労働者が単位時間あたりに生み出す付加価値のこと
- 美しい女性とは? なにげないしぐさや表情にこそ、その人の美しさが表れると思います。 (写真家 織作峰子さん)
※ ニッチ ~ 「すきま」と訳されもするが、本来は花瓶や像を置くための壁の小さなくぼみ。おさまるべき適材がしっくりとおさまる適所、そんな小さな場所がニッチである。 (中野 香織 服飾史家)
(注意:この資料は1990年代のものです)
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