介護保険シリーズ(4) 利用者負担額と負担限度額について 

印刷物の図解説明でより詳しく理解できると思います。→クリック

 介護シリーズ 介護サービスの利用者負担と負担限度額 (図)

  1. 介護保険にも一部に利用者の自己負担があります

介護保険サービスは、健康(医療)保険と同様、利用者に一部自己負担があります。負担額は原則1割負担ですが、世代間・世代内の公平性を確保しつつ、制度の持続可能性の観点から所得により2割または3割の自己負担(※1)になる利用者がいます。

(※1: 3割負担は2018年8月より適用開始)

  1. サービス毎、事業者により自己負担額は違う

前回のシリーズで、介護サービスには「在宅型」と「施設型」そして「地域密着型」の3つがあるとお知らせしました。これらに共通なサービスは「介護保険適用サービス」です。これは基本、自己負担額は1割です(但し、所得により2割・3割負担もあります)この他に、部屋代や食費等が発生する場合がありますが、保険適用外となり、サービスを提供する事業者の契約により費用は異なります。

【サービスごとの自己負担】

サービスの種類

支 払 費 用 内 訳

(1)   介 護サービス

(2)部屋代

(3)食 費

(4)日常生活費

□在宅サービス

訪問介護、訪問入浴介護、訪問看護、訪問リハ等

基本1割の自己負担(※2)

—–

 

—–

 

—–

通所介護(デイサービス)、通所リハ(テイケア)等

基本1割の自己負担(※2)

—–

 

自己負担

 

自己負担

短期入所生活介護(ショートスティ)、短期入所療養介護

基本1割の自己負担(※2)

自己負担

 

自己負担

 

自己負担

小規模多機能型居宅介護、認知症対応型共同生活介護等

基本1割の自己負担(※2)

自己負担

 

自己負担

 

自己負担

□施設サービス

介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)、介護老人保健施設(老健)、介護医療院

基本1割の自己負担(※2)

自己負担

 

自己負担

 

自己負担

 (※2: 所得により2割・3割負担あり)

【説 明】

  • 介護サービス

 ケアプランの中のサービス品目であり、基本は1割の自己負担です。但し、2015年8月より、一定以上の所得(本人の合計所得金額が160万円以上等(年金収入ベースで28万円以上))がある場合は2割負担となりました。また2018年8月より新たに3割負担が設けられました。(3割負担の適用者は、年金収入等で340万円以上がある人となります)

   ・部屋代

部屋代はサービス事業者ごとに異なります。また所得に応じて負担限度額が設けられており、自己負担が軽減される対応が図られています。

2015年8月より、預貯金等の資産が1,000万円以上の人は、負担限度額の軽減措置はなくなり、全額自己負担となりました。

  • 食 費

 食費も部屋代と同様の扱いです。

  • 日常生活費

 生活に必要な身の回り品や医療費、交通費等は全額自己負担となります。

上記の他に、毎月の介護保険代が必要となります。(年金受給者は特別徴収となります)

  1. 自己負担割合の判定

毎年8月1日に利用者負担割合の通知があります。これは前年度の合計所得により算出されたものを基準に行われます。

負担割合

基     準

1割

以下の①~⑥のいずれかに該当する場合

①    本人が非課税

②    本人の合計所得金額(※1)が160万円未満

③    本人の合計所得金額が160万円以上で、次のアまたはイの条件を満たす

ァ. 世帯に第一号被保険者が本人しかいない場合で、本人の「公的年金等収入額+その他の合計所得金額(※2)の合計が280万円未満」

イ. 世帯に第一号被保険者が本人を含めて複数いる場合で、世帯の第一号被保険者の「公的年金等収入額+その他の合計所得金額」の合計が346万円未満

④    生活保護等受給者

⑤     旧措置入所者

⑥    第2号被保険者(40歳から64歳までの人)

2割

以下の①または②に該当する者

①    1割に該当しない者のうち、本人の合計所得金額が220万円未満

②    本人の合計所得金額が220万円以上で、次のアまたはイの条件を満たす

ァ. 世帯に第一号被保険者が本人しかいない場合で、本人の「公的年金等収入額+その他の合計所得金額の合計が280万円以上340万円未満

イ. 世帯に第一号被保険者が本人を含めて複数いる場合で、世帯の第一号被保険者の「公的年金等収入額+その他の合計所得金額」の合計が346万円以上463万円未満

3割

1割及び2割の条件に該当しない者。(2018年8月1日から施行)

 ※1税法上の合計所得金額つまり、前年の収入金額から必要経費等を差し引いた金額

※2  合計所得金額から公的年金等に係る雑所得を差し引いた金額

(3項は横浜市ハートページ参照)

  1. 利用者負担の軽減について
  • 高額介護サービス費等による負担軽減

1か月の利用者負担が一定の上限額を超えるときには、市区町村に申請すると「高額介護サービス費等」が払い戻されます。詳しくは、各市町村に確認してみてください。なお、下図は高額介護サービス等の負担軽減の参考式です。

 添付をご覧ください。
  • 高額医療・高額介護合算制度による負担軽減

1年間で、医療保険(例えば後期高齢者医療保険)と介護保険における自己負担の合算額が一定以上になった際、合算制度による負担軽減があります。これは市区町村に申請する必要があります。

     次頁を参照ください。資料は厚生労働省HPより抜粋。

 

 添付をご覧ください。

  • 市区町村によって、独自の助成や負担軽減

詳細は、各市区町村の窓口に確認してみましょう。

以上